南都銀行 紀寺支店

近所で育った私にとって、子供では利用することはあまり無かったものの
日常に確かに存在していました。
朝から夕方まで毎日外で仕事をされていた真っ黒に焼けた警備員さんによくして貰っていたのが、
大きいのかもしれません。

そんな南都銀行紀寺支店は、2020年春に移転統合により閉店しました。

閉店されたのと同時期に、新型コロナウイルスが広まり全国で緊急事態宣言が発令
紀寺支店が無くなる寂しさを感じる暇もなく、町は静まりました。

そこから月日が経ち、町も少し動き出した頃
なんとご縁あって、旧南都銀行 紀寺支店の建物を譲り受ける事になります。
正直、悩みに悩みましたが
この建物を誰が活かすべきなのか？
そう考えるといつの間にか進めていました。

コロナによって、大きく世の中がアップグレードされ、
また、私たちにとって必要な物事が浮き彫りになりました。
少しずつ、この場所だからこそ出来ることを考えはじめます。

ストレス社会から一旦解放された事で知る、人との繋がり
人との良い距離感は、面白いように変化していきます。
正解は無く、その時々で変わります。

そんな人と人の繋がりをデザインしたい。
それは、作るのでは無く、場所や設備、機会を提供する事で、自然発生的に生まれるコミュニティー。
ここ数年で出てきたシェアリングという言葉
一般的に物を共有する事に使われるシェアリングは、経済的価値の追求から生まれた言葉ですが
時間や活動を共有する事で、そこにコミュニティーは生まれます。

それをシェアリングコミュニティーと呼びます。
同時に共有する、協力する、協働することで
生まれるコミニティーは、緩やかさのある繋がり。
それらは日常の孤独感を和らげ、束縛感からも解放されます。

2023年3月21日にオープンいたします。

この建物には屋上があって
広い空が広がります。
そんな空を眺めていると
いつか鳥たちのように、空高く飛びたいなぁ
そんなふうによく思います。

この場所で、羽を休め、仲間と語り合い、次に向かう準備をする
そして飛び立つ鳥たちの姿を込めて名付けました。

「bird bird」

bird bird は、共に働き、共に遊び、共に挑戦する始まりの場所です。
約50年前に建てられた旧南都銀行紀寺支店の建物をリノベーションし、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアダイニング、シェアサウナなどを備える複合施設になります。
それぞれのメンバーが作るコミニティー活動を支援し、多様なコミニティーが入り混じる事で
メンバーが新しい日常を手にいれる場所を目指します。

bird bird　藤岡俊平

 

藤岡建築研究室（設計監理）
やぐゆぐ道具店（設計監理/シェアダイニング）
ヒロタ建設（施工）
INtoOUT&Co.（ロゴ/サイン計画/HP）
大岸禄弥造園所（造園）
装飾壁面UNIT（タイル）
naice（ソファ）
mafu a mano（タペストリー）
date（ネットワーク構築）
DASOQ(サウナ)

INtoOUT&Co.（HPデザイン）
松下裕美（HPコーディング）